第一話:斬り裂きジャック

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シド・ジャック♂:


本編主人公。

きちっとした身なりに丁寧な言葉使い、探偵事務所に勤務するメカクレの好青年。

1年ほど前にロンドンに越してきた異国からの来訪者。 しかし優れた教養に加え、教材にしてもいいレベルの流暢なイギリス英語で話す。

平日は夕方まで事務所に勤務し、夜は夜で何やら忙しくしている苦労人。

彼はいったいいつ寝ているのだろうか。


だが―――


その裏の顔は 霧の夜に現れる怪人、通称斬り裂きジャック。

都市伝説では大きなハサミを持った浮浪者風の男のようだが

その実、1メートルはあろう禍々しい鉤爪を有した異形の左腕を持つシドルファスその人である。

"仕事"の際に裾がボロボロになったコートを愛用しているのが所以か。



ミランダ♀:


やけにマセた少女…というか幼女。

赤と黒を基調にした独特なメイド服でシドの世話を焼く謎の使用人。

よく見ると物凄い美少女。 変な気を起こす殿方がいてもおかしくないくらいに。

料理の腕は王宮コックレベル。 スイーツもしかり。

掃除洗濯は出来なさそうな服だが、、、はたして。

シドに嫌味二歩手前なツッコミを連発するが

全面的に彼を支える姿勢を崩さない優秀な家守。



ルーシー♀:


17歳の可憐な少女…といってもしっかりしているので成人以上に見える。

シドが通勤の途中に家の前を通るので、よく挨拶をしている。

―――というかシドと話したいので軽く出待ちしてるまである。

手先が器用で高級服飾店に勤務している。 早く一人前になって母親に楽をさせたいと思っている。

暇な時はクッキーを焼きまくる。(シドの好物なので)



ボニー♀:


アラフィフのお母さん。

娘のルーシーと二人暮らし。 旦那は蒸発。

市場の仕入れ等で家庭を支えている。

ルーシーが思春期に仕事の虫になりかけているのが心配の種。

1年前にシドが越してきた時から何かと交流があり

探偵という不安定な職種のわりに身なりの整っているシドを始めは訝しんでいたが

今では気にもしていない様子。 むしろわりと気に入ってる。

シドの天気予報は世界一当たると思っている。



ウィロウ♀:


大手貿易商の夫を持つ成金女。 40代半ば。

社交界で威張り散らかしている夫ではなく ビジネスのブレインはほぼほぼ彼女。

あきらかに金目当てで結婚し、案の定夜会で目を付けた殿方と一夜を過ごすのが趣味。

性に奔放なのは見た目からもわかるほどに 男を誘う服装、香水、仕草、眼差しを振りまいている。

その不合理且つ強引なやり口に涙を呑まされた市民は数知れず

ボニー母娘に立ち退きを迫っているのも、彼女の指示による都市開発の一環である。

夜会の後に気分を良くした彼女は 目を付けた男性と密会するため

美しい景観の女神の森を歩いて帰宅するが───


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シド・ジャック♂:

ミランダ・ボニー♀:

ルーシー・ウィロウ♀:


120台本


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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




シド:

おや… お嬢さん、こんばんは。

素敵な夜ですが、お一人でこんな路地裏を歩かれるのは

少し心配になってしまいます。

ほら、最近巷を騒がせている女ばかりを狙う

卑劣な連続殺人鬼。

貴女も、もちろんご存知でしょう?

なんでも 大きなハサミを持った不気味な

浮浪者風の男だっていうじゃないですか。

貴女も狙われたっておかしい話しじゃない。

ささ、月夜のお散歩もそこそこに

暖かい暖炉の下へと向かわれてくださいな。

道中お気をつけて おやすみなさい。


シドM:

嗚呼 今宵もイ~イ月だ、フフ。




【と或る古めかしくも清潔感のある屋敷の一室、ベッドで爆睡する青年にメイドらしき少女が頻りに声を掛けている】




ミランダ:

───様! ご主人様ぁぁ!!

朝ですよ! 朝食も出来てますよ! もう9時をとうに過ぎてますよぉ!!

起きてくださいご主人様ってばぁ!!!


シド:

ぐぬ… うう~ん… あと15分……zzZ


ミランダ:

ごしゅ…! もう! ご飯いらないんですね!?

ミランダ全部食べちゃいますよぉ!? あ~あー、せっかく蜂蜜を添えたスペシャルアップルp───


シド:

それを早く言いなさいよッッ ええい! ※前の台詞にかぶせるように


ミランダ:

もぉぉぉ! 解ってたケドぉお!!


シド:

じゃあミラっち、ごくんッ あとは頼んだよ! ご馳走さまでしたぁ! ※最初モゴモゴしながら


ミランダ:

はぁ……、行ってらっしゃいませですよぉ~…




【心地よい風が舞う朝、通勤する人々の往来も減った大通りを急ぐ青年が ふと足を止める】




シド:

御機嫌ようミセスボニーにミスルーシー! 今日もイイ天気ですねぇ。


ルーシー:

あらシドさん! こんにちは~! うふふ///


ボニー:

こんにちはシドさん、今日は遅いんですねぇ お寝坊さんかしら?(笑)


シド:

あやぁ…ご名答、まったくそのとおりです(苦笑)

急いで事務所に向かわなければならない身ですが

お二人のお顔を拝見できて口角も上がります、今日も良き一日を!


ボニー:

もう、上手なんだから。 シドさんも良き一日を~!


ルーシー:

あ! シドさんあたしこれからクッキー焼こうと思うの! 帰りに持って行ってくださいな!


シド:

それはそれは仕事も捗るというモノです♪

仕事が終わったらお伺いしますね、ありがとうございます!

───あぁ、午後からにわか雨が来そうですから 傘のご用意を…! 失礼!


ルーシー:

素敵な人よね、シドさんって…///

よぉ~し たっくさん作ろ!!


ボニー:

午後雨の予報なんて出てたかしら…

でもシドさんの天気予報のほうがよっぽど信頼できるわ。

さ、帰ってクッキーの支度を始めなきゃね!


ルーシー:

ええ、レンジフル回転よ! うふふ♪




【陽も完全に落ちた夜、冒頭の屋敷のリビングで何やら上機嫌でクッキーを貪る青年とそれを静観する少女】




シド:

うん、うまいッ モグモグ… んで、今夜何か目ぼしい動きは? ※クッキーを食べながら


ミランダ:

ご主人様さっきお夕食召し上がりましたよねぇ、、 おかしいなぁ、、

…コホンッ サヴィル・ロウ通りの件、ようやくです。


シド:


ミランダ:

ミセスウィロウが外出します。


シド:

…ほう。


ミランダ:

いつものハーネス商会の誘いで 中央通りのホールで行われる夜会に出席、

草の情報では おそらくは帰りに"懺悔の森"の脇道を通るかと。


シド:

それはそれは。 うふふ♪


ミランダ:

夫人がホールを出る際には 草から報告が入ります、

それまではしばし羽を伸ばしてくださいませ。


シド:

あぁ、悪いがそうさせてもらうよ。 …ふう。。


ミランダ:

───あの… ご主人様?

ご主人様は何故、あのような母子にそのように肩入r―――


シド:

ミラっち、あの人たちには我々が越してきた時からずいぶんと世話になっている。 ※前の台詞にかぶせるように

恩義には恩義、仇には粛清で返すのが私たちの流儀のはずだよ。

私は彼女たちを理不尽な社会という理から解き放ちたいだけさ。


ミランダ:

…御心のままに。


シド:

さ! 私は少し仮眠を取ることにするよ。

合図があったら、よいしょ… 起こしてくれたまえよ。


ミランダ:

コホン、ご主人様?

何がとは申しませんが、今朝の蜂蜜たっぷりのあpp―――


シド:

いただきます!! ※前の台詞にかぶせるように


ミランダ:

ふぅ… 明日も寝坊なさらないか心配ですぅ。。




【夜も更け深夜に差し掛かる時刻、大層派手な装いの貴婦人が執事と歩を進める】




ウィロウ:

此処でいいわ、主人に女神の森を歩いて帰ると伝えてちょうだい。

―――いいのよ、いいの。 そういう事よ 行って。




【執事は貴婦人の命に従い、送迎車と共に立ち去る】




ウィロウ:

はぁ、、 威張ってばっかで頭はスッカラカンな豚の相手なんて誰がするもんですか!

嗚呼オースティン… 玉のような肌に切れ長の目、あの手つきは私を誘ってたわぁ ええ誘ってた!

ちょっと調べさせて会社に海路の大口取引をいくつか流しましょうか…

そうすれば私の烈愛を、受け入れてくれるハズ。 うふふふふふん!

…それにしても此処はいつ歩いても素敵な森ねぇ。

雨もあがって雲一つない星空に、綺麗な月だわぁ。。。


シド:

おや… お嬢さん、こんばんは。


ウィロウ:

あら、御機嫌よう うふふふ~♪


ウィロウM:

やだ、一見特段お金持ちってわけじゃなさそうだけど

よく見ると随分見目麗しい男じゃない~!

今日はツイてるわぁぁ~…!


シド:

唐突に失礼を。 素敵な夜ですが、

お一人でこんな路地裏を歩かれるのは あまりにも危険ですねぇ。

ほら、最近巷を騒がせている女ばかりを狙う卑劣な連続殺人鬼。

貴女も、もちろんご存知でしょう?


ウィロウ:

え、ええ 存じておりますわよぉ?


シド:

なんでも 大きなハサミを持った不気味な

浮浪者風の男だっていうじゃないですか。

貴女の様な方は狙われてもおかしくない。 うふふ♪


ウィロウ:

え……


ジャック:

…そう、お前のような薄汚い売女(豚)はなあ!


ウィロウ:

ひ、ひぃぃぃ…!!


ジャック:

クック… ふふふ、ふはははは ヒャーッハハハハハ!

なんてぇ面ァしてやがんだ! 見られたもんじゃねえぞ!!

ひゃははは! なんだァ?ようやく気づいたかい?

そうさァ、俺があのジャック・ザ・リッパーだ!!


ウィロウ:

……た… 助け……


ジャック:

オイきいてンのかぁ!! …えぇ?




【打ち捨てられた無残な亡骸、それを冷酷な眼差しで見下ろす怪人】




ジャック:

ペ…ッ はぁぁ─── ※ペ…ッは唾を吐き捨てる音


シド:

───ふぅ。

嗚呼… 今宵もイ~イ月だ、フフ。




【雲一つない晴天、大通りを往く青年が少女に呼び止められる】




ルーシー:

あ、シドさぁん! こんにちはぁ!///


シド:

あぁミスルーシー、御機嫌よう!


ルーシー:

またクッキー焼いたのよ! 是非帰りにウチに寄ってらしてね!


シド:

それはまたまたやる気が溢れてきますねぇ~! 有り難く!


ルーシー:

それと… あたしたち、立ち退かなくて済む事になったの。。

突然退去命令が取り下げられたのよ。

隣り町から仕立てに来るのはとてもじゃないけど無理だったから

本当助かっちゃったんだけどさ───


ボニー:

こ~らルーシー、シドさんがお仕事に遅れちゃうでしょう?

シドさんにだったら話してもいいから 夕方ウチにいらした時になさいな。


ルーシー:

あ、いけない! シドさんごめんなさい…!


シド:

御機嫌ようミセスボニー!

大丈夫ですよ、こうみえて走るのは馬のように速いんです うふふふ~


ルーシー:

まぁ! シドさんったら(笑)


シド:

では失礼するとしましょう、流石に間に合わなくなります(汗)

お二人とも良い一日を! ではまた!!


ルーシー・ボニー

いってらっしゃーい!!


シドM:

お夕飯の後のルーシーさんのクッキー、、

今宵も楽しみです フフ♪





To be continued

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